Vikerで利用しているVanMoof E-bikeメンテナンス
オランダの洗練されたデザインと先進的なテクノロジーで知られるEバイク「VanMoof」。私たちはこのEバイクを採用し、新しい都市型モビリティの形として「Viker」というシェアリングサービスを展開しています。
VanMoofのEバイクは、従来の自転車整備に加えて、IoTデバイスとしての電子的なケアも必要です。そこでRepairCafeFukuokaでは、電子システム面での修理とメンテナンスを実施しています。
今回は、THE LUIGANS Spa&Resort様で運用している2台の修理とメンテナンスを行いました。
1. ハンドルの修理
日常点検で発見した、転倒が原因と思われるハンドルカバーの損傷を修理しました。突然のアクシデントは誰にでも起こりうるもの。ご利用者様のお怪我がなかったことを願うとともに、安全のため、もし何か気になることがありましたら、遠慮なくご報告いただければと思います。
VanMoofのハンドルは内部に配線が通っているため、構造を理解した慎重な作業が必要です。オランダ本国から取り寄せた純正パーツと専用の接着剤を使用して修理しました。
2. マトリクスLEDディスプレイの修復
VanMoofの特徴的なデザイン要素の一つが、フレームに統合されたドットマトリクスLEDディスプレイです（ここに表示されるスピードや表示の程よいレトロ感がおしゃれで大好きです）。経年劣化による一部LEDの不具合に対し、修理を実施しました。
通常は交換が行われるこのパーツですが、今回はLED球切れのため、あえて分解修理に挑戦。バッテリーモジュールの取り外しから、LEDモジュールの分解、清掃、そして再組み立てまで、一連の作業で機能を復活させることができました。
3. テールライトとフロントライトのメンテナンス
こちらもEバイクらしい特徴のひとつ、前後のライティングシステム。定期的に清掃と光度調整を行っています。
夜間走行の安全性を確保するため、定期的なメンテナンスが欠かせないパーツです。特にVikerでは、昼夜を問わず多くの方にご利用いただいているため、ライトの状態には細心の注意を払っています。
4. サドルのメンテナンスと最適化
こちらは電子的な作業はありませんが、一般的な自転車パーツでは代替の効かない特殊機構で、紛失も多い部品です。オランダ本国から取り寄せた純正パーツを使って調整しました。
5. ボタン配線の修理
VanMoofの左右についているボタンは、電子チャイムやアクセルなど、Eバイクらしい機能を制御するシンプルながらも特徴的なボタンです。日常点検で右ボタンの配線断絶を発見し、修理を行いました。次に乗る方のために、こういった不具合は早めに教えていただけると嬉しいですし、この不具合がある状態で借りられた方にお詫び申し上げます。
回路図を確認しながら丁寧に修復し、右ボタンの機能を復活させることができました。
テストドライブで完璧な仕上がりを確認
すべての修理作業を終えた後は、実際の走行テストで動作確認を行います。電子制御システムの応答性、各ボタンの操作感、そしてライティングシステムの視認性など、細かなチェックを重ねて問題ないことを確認しました（この時間が一番楽しいです）。
VanMoofの修理とメンテナンスについて
私たちRepairCafeでは、Vikerで使用しているVanMoof以外の修理も承っております。現在、日本国内でのVanMoofの公式修理サービスは停止していますが、当社では本国から純正パーツを取り寄せての修理を継続して行っています。
VanMoofの修理は電子機器と自転車整備、双方の知識と技術が必要です。そのため、私たちは電気系統を中心に担当し、ブレーキやギアなどの自転車としての機能は、提携する自転車専門店にお願いしています。
また、修理用の部品取得のため、不要になったVanMoofの引き取りも行っております。引き取りについてのご相談も、お気軽にお声がけください。
